フォルクスワーゲン ID. Buzz Pro EVで蘇った「ワーゲンバス」の上質な走り

EVで蘇った「ワーゲンバス」の上質な走り

今年で45回目を迎えた、日本輸入自動車組合(JAIA)主催の輸入車試乗会が開催された。日本で買える最新輸入車が一堂に会するこの試乗会は、メディアにとっては「輸入車のいま」を伝えるための絶好の機会となっている。

文・河西啓介

見ているだけで楽しい気分になる

会場となった神奈川県の大磯プリンスホテル駐車場を起点に、1日で計6台に試乗したが、その中でも印象的だった一台が、フォルクスワーゲンのEVミニバン「ID. Buzz Pro」だ。ボディタイプはショートボディ(全長4715mm・6人乗り)とロングボディ(全長4960mm・7人乗り)があるが、今回試乗したのは「Long Wheelbase」のほう。

まず心をつかまれたのは、その外観。往年のフォルクスワーゲン・タイプ2、いわゆる“ワーゲンバス”をモチーフとしたデザインは明快で、しかも単なる懐古趣味に終わっていない。丸みを帯びたフォルムとツートーンの配色は、見ているだけで楽しい気分になる。国産のミニバンにはないキャラクターだ。

見た目はカワイイが、ボディサイズは全長約4960mm、全幅1985mm、全高1925mmと堂々たるもの。車重も約2.7トンとヘビー級だ。しかし走り出すと、その重さは気にならないほど、走りは軽快である。

搭載されるモーターは最高出力286ps、最大トルク560Nmを発揮し、後輪を駆動する。アクセルを踏み込めば、BEVらしい滑らかで途切れのない加速が得られ、ゆったりとした乗り味は、まるでクルーズ船のようだ。ドライバーが張り切って操るクルマというよりも、乗員全員が同じ時間を共有し、快適に移動するためのEV──そんな性格がはっきりしている。

室内にもワクワク感がほしい

気になったのはブレーキのタッチだ。回生ブレーキとの協調制御も影響しているのだろうが、踏み始めの手応えが薄く、そうとうしっかり踏み込まないと効きを感じにくい。車重の重さもあり、慣れないうちはコントロールに戸惑ってしまった。

航続距離はWLTCモードで554km。じっさいの走行でも400km以上は走れるだろう。日常使いから週末のロングドライブまでを視野に入れられる数値であり、実用EVとしての要件はきちんと満たしている。

個人的に物足りなかったのは、インテリアのデザインだ。クリーンでシンプル、機能的ではあるが、外観から受けたワクワクは感じられない。広さは十分以上で、フラットな床や開放感は大きな魅力なのだが、約1000万円という価格を考えると、もう一歩踏み込んだ“特別な何か”が欲しくなったのも正直なところである。

Volkswagen ID. Buzz Pro Long Wheelbase

ボディサイズ:全長×全幅×全高=4965×1985×1925mm
ホイールベース:3240mm
車重:2730kg
駆動方式:RWD
最高出力:286PS
最大トルク:560N・m
価格:997万9000円

フォルクスワーゲン オフィシャルサイト

volkswagen.co.jp

関連記事

  1. アウディQ6 e-tron quattro

  2. アルピーヌA110、2026年6月で生産終了。最後の日本限定モデル70台が受注開始!!

  3. ヒョンデ アイオニック 5 N EVだからできる、エンタメ・ハイパフォーマンスカー

  4. ポルシェの魅力を体感するプレミアムなドライビングツアー、開催!

  5. Car Life with YANASE「心を満たす週末、チャージ&トリップ」

  6. レクサスRZで向かう、“整う時間”への旅。

  7. “世界で最も美しいクルマ”で前衛とアートの非日常へ。

  8. 「Volvo Studio Tokyo」でボルボEX30をテストドライブ

連載記事
BACK NUMBER
PAGE TOP