さらりと控えめ。洗練され“自然”になったプレミアムSUV

日本輸入自動車組合(JAIA)主催の輸入車試乗会は、輸入ブランドの最新モデルを一度に体験できる貴重な機会だ。今回1日で6台を乗り比べた中でも、とくに総合力の高さを感じた一台が、アウディのミドルサイズBEV SUV「Q6 e-tron quattro」である。
文/河西啓介
Q6 e-tronは2025年に日本市場へ導入されたアウディのピュアEVだ。ボディサイズは全長4770×全幅1940×全高1695mm。内燃機関モデルのQ5とQ8の中間に位置するプレミアムSUVである。プラットフォームにはBEV専用の「Premium Platform Electric(PPE)」を採用。これはポルシェと共同開発された電動車専用アーキテクチャで、ポルシェ・マカン エレクトリックにも用いられている。
外観デザインはスタイリッシュだが、派手さはない。さらりと控えめなのがアウディ流である。悪目立ちを望まない層にとっては、この佇まいこそが魅力だろう。

走らせた印象もまた同様だった。加速の立ち上がり、アクセルを戻したときの回生ブレーキの効き方が非常に自然だ。黎明期のEVには、いかにも「電気モーター駆動です」と主張するような唐突さがあったが、Q6 e-tronにはそれがない。ガソリン車から乗り換えても違和感なく馴染めるだろう。
とはいえ、強力でシームレスな加速や圧倒的な静粛性といったBEVならではの利点はきちんと享受できる。アウディが従来から大切にしてきた「技術で上質な走りを実現する」という思想と、BEVの特性との相性は非常に良いと感じられた。 インテリアもアウディらしく落ち着いた質感だ。素材の選び方や仕上げの丁寧さからプレミアム感が伝わってくる。広さを誇示するのではなく、あえてややタイトな空間とすることで、パーソナルなコクピット感を強めている点も好印象だ。




走り、空間、デザイン、そしてEVとしての完成度を総合すれば、Q6 e-tron quattroは高い説得力を持つ一台といえる。2WDモデルなら800万円台中盤から(補助金を考慮すれば700万円台)という価格も、このクラスのプレミアムSUVとしては現実的だ。
Audi Q6 e-tron quattro

ボディサイズ:全長×全幅×全高=4770×1940×1695mm
ホイールベース:2895mm
車重:約2420kg
駆動方式: AWD
システム最高出力: 388ps
最大トルク:580Nm
一充電走行距離:644km
価格:998万円 〜














